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義澤 宣明*; 石橋 健二*; 高田 弘
Journal of Nuclear Science and Technology, 32(7), p.601 - 607, 1995/07
被引用回数:27 パーセンタイル:90.45(Nuclear Science & Technology)核内カスケード・蒸発モデルに基づく核破砕反応計算コード(HETC)に励起子模型を用いた前平衡計算を導入し、HETC-3STEPとした。(p,xn)反応二重微分断面積について、運動源モデルによってカスケード、前平衡及び蒸発の3成分に分離された種々の実験データを各成分毎に良く再現できるように励起子の遷移確率と前平衡過程打ち切り条件のパラメータを決定した。このパラメータを用いたHETC-3STEPによる計算を行い、Al以上の原子核について種々の入射エネルギーに対する放出中性子二重微分断面積データと比較を行った。この結果、前平衡計算の導入によって入射エネルギー20~100MeVの範囲で、これまで過小評価していた後方への中性子放出を改善し実験と良い一致が得られるようになった。
高田 弘; 中原 康明; 西田 雄彦; 石橋 健二*; 義澤 宣明*
Proc. of NEA/NSC Specialists Meeting on Intermediate Energy Nuclear Data:Models and Codes, 0, p.121 - 136, 1994/00
核内カスケード蒸発モデルに基づく核破砕反応計算コードNUCLEUSとこれに前平衡過程を加えたHETC-3STEPを用いて25~1500MeVの中間エネルギー領域における(p,xn)及び(p,xp)反応の二重微分断面積に関するベンチマーク計算を行った。256MeV以上では、両コード間にパラメータの違いによる蒸発成分の差が見られるものの、両コードとも実験と良い一致を示した。エネルギーが下がるにつれてNUCLEUSは後方への粒子放出を1桁以上過小評価したが、HETC-3STEPはこの過小評価を改善し、実験と良く一致した。この結果、前平衡過程の導入は、低いエネルギー領域での核内カスケード蒸発モデルの計算精度を向上させることがわかった。但し、クラスター粒子の前方ピーク成分については、HETC-3STEPでも実験結果を全く再現できなかったので、更にモデルを改良する必要がある。また、核種生成断面積については現状で、計算は実験と2倍内の差で一致することがわかった。